授業レポート
【講義レポート】ALS当事者・佐藤裕美さんが語る「境を越えて」生きるということ
先日、NPO法人「境を越えて」共同代表の佐藤裕美さんを講師にお招きし、特別講義を実施しました。
佐藤さんは、ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者としての経験に基づきながら、難病や障害と共に生きる当事者としてのリアルな声を学生たちに届けてくださいました。

講義では、ALS患者として直面する困難や心情などを率直にお話しいただきました。学生たちは、これまで知る機会の少なかった当事者の生の声に触れることで、身体がどんなに不自由になっても、その人らしく地域で暮らせるしくみ作りの重要性、ひいては社会の理解促進がいかに大切かを学びました。

力強く生きる佐藤さんの姿に、学生たちは深く感銘を受けました。
この講義を通して、学生たちは、誰もが暮らしやすい社会の実現に向けて、私たち一人ひとりができることを考える貴重な機会を得ました。
佐藤さん、素晴らしい講義をありがとうございました。
受講した学生の声
○病気の進行に伴う身体的な苦しさだけでなく、自分らしく生きることへの強い意志を感じた。実際の体験を通して語られた言葉には重みがあり、教科書では学べない貴重な学びだった。作業療法士としてALSの疾患をしっかりと理解し、他の指定難病患者にお会いしたときには、その経験や学びを活かして、病気だけに目を向けるのではなく、その人の「生活」や「人生」に寄り添える支援を行いたいと思った。身体機能が徐々に低下していく中でも、本人が希望を持ち、自分らしく生きられるような環境づくりやコミュニケーション支援を提案できる力を身につけたいと感じた。
○ALSの方のできないことではなく、どうすればできるかを一緒に考える姿勢が大切だと学んだ。講義を通して、作業療法士は身体機能の回復支援だけでなく、その人の人生そのものを支える存在であることを改めて実感した。今後は、難病患者の方の気持ちに寄り添いながら、その人らしい生活を実現するために必要な視点や知識をさらに深めていきたいと思う。
○医療職を志す人以外にもご自身の状況、取り巻く環境の中で生じる問題、社会的な課題をしっかりと伝えようとする姿勢は素晴らしいと思った。
○当事者ではないからという姿勢ではなく、みんなが当事者の感情を理解しようとする姿勢や一人の人間として向き合おうとする姿勢がこれからの世の中、求められていく姿なのではないかと思った。
○自分の考え方が相手とは違うということや、違う考え方の人がどんなことを感じているのかということにまだ目を向けられていなかったなということを実感させられた。自分と違う考え方の人が、どんなことを考えているのか、どんな感情で自分の意見を受け止めているのかということをもっと考えながら生活したいと感じた
○佐藤裕美さんの講義を通して、言葉の持つ力と自分らしく生きる大切さを改めて実感した。佐藤さんはALSを発症してからも、嫌だと思ったことはないと話されており、その姿勢に深く心を打たれた。病気や障害の有無にとらわれず、自分の思うように生きることの大切さを改めて感じた。
